台湾茶でゆるりと心ほぐれる時間を
2019.12.23
GOODSゆらめく湯気を眺めながら、味を一口確かめ香りを楽しむ。台湾茶は、最初の一口から2回目にいれた時の味の変化や、品種によって味や香りがまったく異なる面白さなど、楽しみ方の幅がとても広いもの。そんな台湾茶の魅力をご紹介します。
味も香りも個性豊か。台湾茶の主流である烏龍茶
台湾茶と一口に言っても、中国茶と何か違うの?どんな飲み方をするの?と意外と分からないことがあるかも知れません。そこで台湾茶について、那覇市牧志のニューパラダイス通りにある台湾茶の専門店「流求茶館」代表の山城豊さんにお話をうかがいました。
「台湾茶は、すごく簡単に言うと台湾で生産されたお茶のことです。一番多く生産されているのは烏龍茶なんですが、みなさんがよくイメージされる、濃い色をしていて味も渋めの烏龍茶だけではなくて、味や香り、色など、その種類はとても多いんです」。
烏龍茶は、お茶の製法の分類では「半発酵茶」に属するのだそう。半発酵茶というのは、茶葉を摘んだ後に完全に発酵させるのではなく、途中で発酵を止める製法とのこと。ちなみに日本でおなじみの緑茶は、茶葉を摘んだ後に発酵さない「不発酵茶」で、紅茶は逆に完全に発酵しきるまで行う「完全発酵茶」。烏龍茶は、緑茶と紅茶の間に位置するお茶なのです。
烏龍茶はその種類の多さも特徴の一つで、鉄観音、凍頂、東方美人…と、初めて台湾茶を飲む人でも、きっと聞いたことのあるものが見つけられるはず。山城さんが仕入れに行くときには、烏龍茶ならではの味や香りの多彩さを知ってほしいからと、その違いが分かりやすいものを選ぶこともあるといいます。
「仕入れる種類を選ぶ理由はいろいろありますが、実際に自分が飲んでおいしいと思えるものはやっぱりお客さんにも飲んでほしいと思いますね。おいしい、というのは好みによるところも大きいのでなかなか難しいのですが、例えば希少価値があってとても高額なものであっても、必ずしもおいしいと思うわけでないと思うんです。その年によって出来ももちろん違いますし、お店を開いてもう15年になりますが、仕入れに行くと毎回新たなおいしさに出会うんです。そんなところも台湾茶の魅力だと思います」。
茶葉の開きを確かめ、香りに酔いしれる優雅な茶藝
台湾茶を正式に楽しむ時には、専用の茶具が使われます。茶具の内容は、茶壺(急須)、茶海(急須から一旦お茶を移すもの)、茶こし、茶杯、聞香杯、そして茶葉入れ。台湾茶はまずすべての茶具にお湯をかけて温めることから始まります。次に茶葉を入れ、お湯を注ぎ、茶海に移し替えて温度を調整し、香りを楽しむための聞香杯に入れた後、やっと飲むための茶杯にお茶が注がれます。
「お茶を飲むまでにたくさんの動作があるんですが、どれもおいしい一杯を飲むために必要なこと。味わうための一杯ができるまでに、茶葉が開くのを待つ時間だったり、一口味わった後に香りだけを楽しむ行為だったり、そういう時間も台湾茶を楽しむ大きな要素だと思います」。
丁寧にいれられたお茶は、一口飲むとお腹の底まで染み渡るようなおいしさ。そしてその驚くほどの香りの良さに、とても癒されるのです。
樂園CAFÉで楽しむ台湾茶
知れば知るほど、その魅力の虜になる台湾茶が、この12月(2019年)から樂園CAFÉでもメニューに仲間入りしました。茶葉のセレクトは、今回話をうかがった流求茶館の山城さん。選んだのは、阿里山、凍頂烏龍、蜜香紅茶の3種類。中国政府が認定する国家職業資格である公認茶藝師の資格も持つ山城さんが、初めてでも飲みやすく、違いがわかりやすいものをと選びました。
そのほかに、台湾のおなじみスイーツ「豆花」も樂園オリジナルのアレンジでメニューに登場。仙草ゼリー、粟、さつまいもを合わせ、さっぱりと食べられて、でもしっかりお腹を満たしてくれるスイーツになりました。
忙しい時にこそちょっと一息。台湾茶を楽しむ時間を過ごすのがおすすめです。
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<ワークショップのお知らせ>
*2020年1月7日には台湾茶の3種飲み比べのワークショップも開催。
詳しくはワークショップのNEWS記事をごらんください。