ボタニカルツリーが彩る、「樂園CHRISTMAS」
2017.11.30
OKINAWA冬の入口、と言うにはまだ少し早く感じるあたたかな11月17日。パレットくもじイベント広場にてクリスマスツリーとくもじイルミネーションの点灯式が行われました。一時は土砂降りとなるあいにくの空模様でしたが、プラントハンター・そら植物園 代表西畠清順氏がプロデュースした、デパートリウボウ初の本物の植物を使ったボタニカルクリスマスツリーがライトアップされると、会場は大きな拍手と歓声に包まれました。
【「樂園CHRISTMAS」のシンボルは、本物の植物で作られたツリー】
いよいよ本格的なクリスマスシーズンの到来に向けて、先日パレットくもじイベント広場に巨大なクリスマスツリーがお目見えしました。
これまでとは少し雰囲気が違う?とよく見てみると、実はこれ、本物の植物で作られているんです。ウスネオイデス、キセログラフィカなど近年人気があるエアプランツと、マニラヤシ、沖縄県花卉(かき)園芸農業協同組合「太陽の花」の切り葉など沖縄の植物が組み合わされた、「樂園CHRISTMAS」のシンボルともいえるボタニカルツリーです。
【プロデュースは、プラントハンター 西畠清順氏】
今回のツリーをプロデュースしたのは、「そら植物園株式会社」の代表であり、世界中を旅してさまざまな植物を収集するプラントハンター、西畠清順(にしはた せいじゅん)さん。
忙しいスケジュールの合間を縫って、この点灯式のために沖縄に駆けつけてくれました。
【ツリーへ込めた想い】
点灯式の前、清順さんにツリーのコンセプトや、植物への想いについて、お話しを伺うことができました。
−まず、ツリーのコンセプトを教えていただけますか?
クリスマスツリーとかクリスマスリースって、そもそも本物の植物で作るものだったのが、いつの間にかプラスチックでできた偽物のツリーやリースのほうが多くなっていますよね。でもやっぱり、本物の良さを子どもたちに教えたいじゃないですか。そこで今回はあえてボタニカル、生の植物にこだわりました。
あと、デパートリウボウさんは沖縄の中心地にあるので、沖縄らしさというのをツリーに込めたいなと思ったんですよ。1本の木を持ってきて、というのも勿論できなくはなかったんですけど、せっかくならここでしかできないツリーを、と考えました。
−ツリーには、沖縄の植物と、最近人気のあるエアプランツも多く使われていますね。
エアプランツって、クリスマスに縁が深い植物なんですよ。
25歳の時、クリスマス時期にたまたま中南米を旅していて、あらゆる道端でエアプランツが売られているのを見かけたんです。『なんでこんなに売っているの?』と聞いたら、クリスマスツリーや聖母マリア像のまわりに敷き詰めて、聖域的な場所を作る風習があると。
それで、今回のツリーに取り入れることにしました。
ぼくの仕事の場合、なにをするにもコンセプトと物語を大切にしています。
沖縄ならではの個性ある熱帯植物をたくさん着生させて、そこにクリスマスに縁の深いエアプランツが混ざり合うという……まさにチャンプルーですよね。チャンプルークリスマスツリーです。
−ツリーを作るうえで、難しかったことなどはありましたか?
屋外だと雨風がダイレクトに当たっちゃうんで、そこは気を遣いましたね。でも今日みたいな大雨は、逆にツリー自体はめちゃくちゃ喜んでいると思いますよ(笑)
そこがイミテーション(偽物)との違い、本物の植物の魅力だと思います。
いろんな国の植物を見てきたなかで、沖縄をはじめとした熱帯地域というのは、植物の種類がすごく豊富なんです。だから本土ではなかなかできなかったことが大胆に出来たという点では楽しかったですね。
−沖縄の植物の魅力はどういうところだと感じますか?
やっぱりあらゆるものがピースフルで、植物も多様で開放感がある。まさに、樂園ですよね。
個人的にも沖縄のことが大好きで、沖縄に来る理由ないかな〜っていつも探してるぐらいなんで(笑)。
今回、樂園CHIRISTMASのプロジェクトに関われてとても嬉しかったです。
−最後に、クリスマスにおすすめしたい、植物のあしらい方があれば教えてください
ぼくは植物の付き合い方っていうのは、”自分がピンときたものを近くにおいておく”、それに尽きると思います。
もちろん、季節感もその時その時で楽しんだらいいと思うんですけど、どんなツリーを飾ろうかな? どんなリースを飾ろうかな? と思ったときには、自分で花屋さんとかをまわってみて自分の気に入るものを見つけるというのも、ひとつの楽しみですよね。
みなさんにも、本物の植物でできたものを飾ってもらえたら良いなあ、と思います。
【光と恵みの雨で輝くツリー】
点灯される瞬間を一目みようと集まった人々で、会場は賑やかになってきました。
清順さんも、沖縄出身の歌手Manamiさん、那覇市の幼稚園に通う2名のキッズとともに、アンバサダーとして点灯ボタンの前にスタンバイ。
5,4,3,2,1……
カウントダウンの合図とともに点灯ボタンが押され、パレットくもじイベント広場中央に設置されたボタニカルクリスマスツリーがライトアップ。
続いて、周辺のイルミネーションも一斉にキラキラと輝き始めました。
雨足の強まる中でしたが、一気にクリスマスムードとなった会場からは「わあ〜!」という歓声と拍手が沸き起こり、あたたかい雰囲気に包まれました。
デパートリウボウの糸数社長は、点灯式に先立ち行われた挨拶の中で、『本物の植物をつかった“生きているツリー”です。“生きている”からこそ、今日見るツリーと明日見るツリーでは、また少し違った表情になっていると思います。』と、ボタニカルツリーならではの、楽しみ方を提案してくれました。
恵みの雨をうけ、いきいきと輝くボタニカルクリスマスツリー。
クリスマスまで、1ヶ月をきりました。
ツリーの表情がどう変化していくのかも、楽しみです。