県産素材×ニュージーランド産マヌカハニーで沖縄の農家を応援
2020.10.27
PEOPLEニュージーランドのマヌカの花から採取されるマヌカハニーは強い抗菌作用成分を含み、少しクセがあるのが特徴的な希少な蜂蜜。でも、クセがなく食べやすいものを厳選して直輸入し、沖縄県産フルーツなどを合わせた「Honey Fusion(ハニーフュージョン)」は、日々の食卓を少し贅沢にしてくれるのはもちろん、お土産や贈り物にもぴったり。代表取締役社長、直子・マクブライドさん、副社長のグレン・マクブライドさんご夫妻にお話を伺いました。
日本初、世界初。ニュージーランドと沖縄をつなぐコラボ商品
−Honey Fusion(ハニーフュージョン)設立の経緯を教えてください。
直子さん/ハニーフュージョンのマヌカハニーは100%ニュージーランド産です。そしてニュージーランドは夫の故郷。子どもたちの将来を考え、子育てはニュージーランドで、と家族全員で移住したのがマヌカハニーを知るきっかけだったのですが、現地で養蜂家の方々に話を聞き、実際に味をみて、マヌカハニーの品質の高さに驚きました。
移住にあたってそれまで経営していた事業は譲渡したんですが、私はいつも新しいことを始めたいタイプでもあったので、マヌカハニーと出会って、沖縄の人たちにも知ってほしいと思ったんです。
グレンさん/僕はもともと琉球空手を習っていて、本場・沖縄で空手を学ぶ目的のため21歳で沖縄に来ました。琉球大学の大学院では農業経済を学び、そこで沖縄の農家が抱える問題を知ったんですね。その中で、沖縄の魅力的なフルーツや野菜で、規格外で市場に出せない農産物と、ニュージーランドで「万能の木」と呼ばれるマヌカをフュージョンさせたらもっと良いものになるんじゃないかと思いつき、色んなことがリンクしました。母国のニュージーランド養蜂家のサポートと沖縄農家さんのサポート、今こそ長年お世話になった沖縄に恩返しができるビジネスモデルが思い浮かび、彼女と会社を興すことにしました。
直子さん/2018年に会社を設立し、2019年から沖縄県産素材を使った商品を開発しています。新型コロナウイルスが流行するまでは沖縄とニュージーランドを行き来しながら、県内外の物産展に出展したり卸販売したりしていました。ところがコロナウイルスの影響で物産展は中止、ニュージーランドからマヌカハニーを輸入することもままならない状況になって。そんな中でも全国のお客様から寄せられる「購入したいという声」を励みに、2020年10月8日の「ハチの日」に沖縄初の『マヌカハニー専門店』ハニーフュージョンをオープンさせました。
ハニーフュージョンならではの、こだわりのマヌカハニー
−基本的な質問なのですが、そもそもマヌカハニーってなんですか?
直子さん/マヌカハニーは、主にニュージーランドに自生する「マヌカ」の木に咲く花の蜜から作られた蜂蜜です。どの蜂蜜も高濃度の糖度と殺菌効果があり、常温でも腐りません。でも、マヌカハニーにはさらにビタミンやミネラルといった豊富な栄養素が含まれています。そして一般の蜂蜜との大きな違いは、殺菌成分「メチルグルオキサール」が含まれていることです。腸内環境や口内環境を整える作用があると言われ、今世界中で注目されているスーパーフードなんですよ。
グレンさん/ニュージーランドでマヌカは花の蜜だけでなく、「幹」、「葉」、「樹皮」など含め「木全体」が万能な木と言われています。可愛らしい白やピンクの小さな花をつけて、日本の桜みたいです。マヌカ、という名前は、ニュージーランドの先住民「マオリ族」がその薬効性から、「復活の木」という意味を込めて付けたそうです。マヌカハニーの殺菌作用は高いので、口内炎や切り傷や火傷に塗るといいですよ。僕も料理をしていて軽く火傷した時にマヌカハニーを塗ったらすぐヒリヒリしなくなりました。
−ハニーフュージョンのマヌカハニーの特徴を教えてください。
直子さん/マヌカハニーは「独特の癖があって食べにくい」と言われることもありますが、ハニーフュージョンのものは、ニュージーランド一次産業省認定研究室で100%純正と認められた、クリーミーでまろやかな味わいの本物のマヌカハニーです。独自の製法によって、濃厚でコクのある生キャラメルのような舌触りと味が楽しめます。栄養もたっぷり、天然のサプリとも言えますね。
−マヌカハニーと沖縄天然素材がフュージョンした「フュージョンハニー」はどんな商品ですか?
直子さん/糸満市にある自社工場で製造していますが、砂糖と添加物は一切使っていません。また、独自の製法でマヌカハニーも沖縄素材も加熱していないので、本来の栄養素を取ることができます。今はシークヮーサー、ピーナッツ、イチゴ、ジンジャー、パッションフルーツ5種類があります。パンに塗ったり、ヨーグルトに混ぜるなどのほか、お湯に溶かしてそのまま飲んだり料理に使ったりと、いろいろ楽しめますよ。
沖縄県産素材とのフュージョンは美味しさをとことん追求
−沖縄県産の素材とマヌカハニーのフュージョンさせる挑戦はどうでしたか?
グレンさん/非加熱で栄養分を壊さないようにして、砂糖や添加物を使わず、素材の味をいかに引き出しながらマヌカハニーとフュージョンさせるか、そこに注意してかなり試行錯誤しました。僕たちのモットーは沖縄の農家を応援しながら、安心安全で美味しい商品を提供すること。だから、体に良いだけでなく、美味しさにもかなりこだわりました。
直子さん/たとえばピーナッツやパッションフルーツは素材のつぶつぶ感を残して、食感にアクセントを加え、より素材の味を楽しめるように工夫しています。一番初めに作ったのは県産の発酵バターを用いた「マヌカ&発酵バター」で、独特の香りと味わいが個性的です。とても気に入ってくださる方もいれば、匂いが苦手という方もいて、最初はどう改良しようかとても悩みました。でも、素材の味に無理に手を加えることはしたくなかったので、結局は最初に完成したものを改良せずに販売することにしました。でもおかげで今では固定ファンもつく定番商品になりました。
グレンさん/今は沖縄の新たな素材との組み合わせに取り組んでいます。沖縄の代表的なフルーツのマンゴーやパインでは、マヌカハニーと組み合わせたときに甘さがぶつかってしまう。素材同士の相性についてはまだ研究中ですね。
−9~10月にかけて、琉球エアコミューターで樂園百貨店出品アイテムとして「シークヮーサー&マヌカキャンディ」を機内販売中ですね。
直子さん/そうなんです。キャンディということで、この商品だけ砂糖を使っていますが、マヌカハニーのやさしい甘さがシークヮーサーのさわやかな酸味を包んで、さっぱりした味わいに仕上がっています。口に入れるとシークヮーサーの香りがふわっと広がりますよ。シークヮーサーの豊富なビタミンCやノビレチン、クエン酸をそのままとることができて、また、これからの乾燥する季節に喉を潤すためや、お口直しをしたいときにおすすめです。個包装されているので持ち歩きにも便利ですよ。