島酒家が届ける沖縄のオーガニックな特産品
2023.08.25
FOODアーサやもずく、ピパーチ、シークヮーサーなど、沖縄はその恵まれた気候条件からさまざまな特産品があります。今や全国的にも知られるようになった沖縄の特産品だからこそ、安心して食べられることや、素材のクオリティの高さにもこだわりたいと、いち早く農家さんとともにオーガニックな生産方法を考え始めたのが、島酒家です。「お酒を扱う企業では?」と思われるその社名の歴史についても、お話をうかがいました。
泡盛から始まった会社の歴史
「社名からもわかると思いますが、もとは泡盛の販売だけを行う会社でした。人とのつながりやご縁から泡盛の販売免許を取得することができ、2004年に泡盛の専門問屋としてスタートしたのがこの会社の始まりです」。そう話すのは、島酒家代表取締役の石黒新海さん。会社の信念として「常に生産者と共に活き、常に未来を創造し、常に遊び心を忘れない」を掲げ、自分が信じた生産者とはとことん絆を深め、共にいいものを消費者に届ける努力を惜しまないのが石黒さんのやり方。いつでも真正面から生産者と向き合い、まっすぐに意見を言い合うことで、妥協のない商品を生み出してきました。
泡盛の事業からスタートしたものの、徐々にお酒離れの傾向が見え始めたことから、石黒さんは新たに沖縄の食材に着目。世間ではすでに沖縄食材の魅力は広く知られるようになっていましたが、食材の持つ力をさらに高めるべく、石黒さんはオーガニック栽培にこだわるようになりました。2015年には県内で初めて有機栽培のシークヮーサー果汁を販売したほか、これまでは良い商品を仕入れて販売するだけだったところを自社にも工場を作り、沖縄生まれの「本当にいいもの」を製造も含めて行うようになりました。
人と人との関係づくりを何よりも大切に
「僕は一緒に仕事をする生産者さんとは、とにかく話をするようにしています。時には言い合いになることもあるけど、お互いにしっかり話ができなかったら前に進めませんから。『これは嫌だ』と意見がぶつかることは多々ありますが、『それならどうしよう』と結論が出るまで何度も話し合います。それと、僕は話をするときに本音で話します。変に隠し事をしてもうまくいきませんから」。
石黒さんが目指すのは、一緒に商品展開に取り組む生産者とはお互いに利益を生む関係でいること。信頼関係を築き、お互いが納得いくかたちで進めることを何よりも大切にしています。
沖縄の未来のためにオーガニックにこだわる
島酒家で今扱っているのは、奥武島産の有機太もずくや、宮古島産の乾燥有機アーサ、沖縄県産100%使用の島唐辛子など、海産物から調味料までさまざま。県産のものであるのはもちろん、それに加えてさまざまな分野でオーガニック認証の取得も進めているといいます。
「今目指しているのは、沖縄一のオーガニック加工メーカーになることなんです。畑でできるもので認証を受けているものは数多くありますが、海のものはまだまだ少ない。そうした、まだやっている人が少ない分野のものも手掛けていきたいですね」。
沖縄がオーガニック食材で注目を浴びることで、沖縄自体を盛り上げることにもつながればという密かな思いも、石黒さんの中にはあるといいます。おいしくて、栄養価が高くて、品質的にも誇れるものであること。沖縄食材の一歩先の未来へ、石黒さんは歩みを進めています。