石垣島の朝の海を思わせる、淡いブルーの美しい器
2018.08.29
GOODS石垣島の美しい海を見下ろす高台にある、農園の一画に併設された『アンパル陶房』。石垣島の豊かな自然のなかで生まれ育った宮良(みやら)姉弟が作り出す陶芸作品は、島ならではのゆったりとした時間を感じさせてくれます。
朝の穏やかな海を感じさせる、軽やかで繊細な器
例えるならば、朝の穏やかな海。見ているだけで、ほっとやさしい気持ちになれる、淡いブルーが印象的な焼き物が石垣島から届きました。
一般的に『やちむん』と呼ばれている沖縄の焼き物のイメージいえば、どっしりとした素朴で力強いものですが、『アンパル陶房』の宮良 断(だん)さんが作り出す透磁(とうじ)シリーズの器は、驚くほど軽やかで繊細。まるで紙か布で作られているかのような、微妙な質感のゆらぎと独特の風合いが魅力です。
その薄さは、手に持って光にかざしてみると、うっすらと指の影が透けて見えるほど。サラサラとした手触りは、いつまでも触っていたくなる心地良さです。
姉の宮良ゆうなさんは、島のヤギや鳥などをモチーフにした動物の置物や、トルコブルーが印象的な花瓶などを制作。お土産にも人気のヤギの置物は、旅の思い出を収めたフォトフレームの隣や玄関の飾り棚などに、ちょこんと飾っておきたくなる愛らしさです。
自然に囲まれた暮らしの中で姉弟が作り出す、それぞれの個性あふれる作品が、島ならではのゆったりとした時間を感じさせてくれます。
農業と作陶と。「半農半陶」という暮らし方
石垣島の市街地から車で約15分。『アンパル陶房』があるのは、名蔵(なぐら)湾を見下ろす高台にある『宮良農園』の一画。グァバやパインなどの南国果物やハーブを育てるかたわら、農園内に併設された陶房で、宮良ゆうなさん、断さん姉弟が作陶を行っています。
少し不思議な響きの『アンパル』とは、農園がある地域の名前から。漢字では『網張』と表し、現在広大なマングローブ林の干潟となっている名蔵湾一帯が、島随一の漁場だったことに由来しています。
そんな自然豊かな環境で、“春夏は農園、秋冬は陶芸”という半農半陶の暮らしの中から生み出される、シンプルで繊細ながらもいきいきとした生命力を感じる『アンパル陶房』の作品たち。農園の果実や草花、干潟の生き物、島を吹き抜ける風、そして目の前に広がる美しい海。石垣島の豊かな自然が、姉弟のフィルターを通して、作品の魅力として表現されています。